【名言】人生で大事なことは、何を食べるかではなく、どこで食べるか、である。

「人生で大事なことは、何を食べるかではなく、どこで食べるか、である。」

ミッシェル・サラゲッタ

これはフランス料理の巨匠、ミッシェル・サラゲッタの言葉です。

……実はそのような人物は存在しません。彼は架空の人物。そしてこの言葉は、かつてフジテレビで放映された三谷幸喜さん脚本の人気ドラマ「王様のレストラン」の冒頭で毎回紹介された名言風の迷言?の一つなのです。この、なんとももっともらしいところがさすが三谷先生だと感じます(笑)

ですが、考えてみるとただ「深イイ風」ではなく、いろいろなところに通ずる言葉だと思えてきました。

今回は、この名言から今日を生きるヒントを見つけていきましょう。

コメディなのに哲学的?伝説のドラマ「王様のレストラン」

「王様のレストラン」は、1995年にフジテレビで製作された三谷幸喜脚本によるテレビドラマです。主演は松本幸四郎さん(現在の二代目 松本白鸚)で、「腰は低いくせに、態度はでかい」「思慮深いけれどどこか天然」な伝説のギャルソン・千石武を熱演しました。その他のキャストも、

筒井道隆
山口智子
鈴木京香
西村雅彦
小野武彦
梶原善
白井晃
伊藤俊人
田口浩正
森本レオ(ナレーション)

            敬称略

と、堂々たる面々です。レストランのドラマということで、料理の監修は全国調理師養成施設協会理事長で、服部学園理事長、あの服部幸應先生がされています。また、平井堅さんのデビューシングル「Precious Junk」がエンディングテーマに採用されているのも驚きです。


そして、あらすじは以下の通り。

原田禄郎(筒井道隆)は父親の死で突然、フレンチレストラン「ベル・エキップ」の若きオーナーになる。 レストランにはシェフ磯野しずか(山口智子)、バーテンダー三条政子(鈴木京香)、禄郎とは腹違いの兄でオーナーの水原範朝(西村雅彦)らが、なんとなく働いていた。 そんな彼らの前に、揺るがぬ情熱と厳しいプロとしての生きざまを持つ一人の男、千石武(松本)が現れる。 千石は、今でこそ給食センターで働いているが、若き日にはフランスで修業したこともある有能なギャルソンだった。 頑固で厳格、プライドも高く、一時はその名を響かせたこともあった千石に触発された従業員たちが、つぶれそうなフレンチレストラン再建を目指す、シニカルで痛快な人情味いっぱいの人間ドラマ。

文字に起こすとこのような感じですが、毎回毎シーンにネタやギミックが盛り込まれ、とてもボリューミーで飽きの来ない作品です。

話の内容はもちろんですが、毎回のドラマの冒頭に名言めいたセリフが表示され、それを森本レオさんの癒しボイスで朗読されるのがとても印象的でした。そして、このミッシェル・サラゲッタなる名言の主を実在の人物だと思っていたのは私だけではないのではないでしょうか。


この名言はどのような経緯で生まれた?

この名言は、第三話「ヤメてやる、今夜」の冒頭で紹介されました。この回は、成り行きでレストランのオーナーになってしまった禄郎が自分の力量に自信を無くすも、千石にアドバイスを受けてなんとか立ち上がろうとする姿が描かれます。舞台となるレストランは月に50万円の赤字を抱え、今のままでは到底やっていけない。人員削減の案が出る。禄郎は、自分がこの店に来たことで誰かが不幸になることは避けたいと思いつつも、とりあえず従業員一人一人と面談することにします。この従業員たちがまぁ曲者ぞろいで。この面談の様子が実に面白く、三谷脚本の群像劇の粋というか、映画「清須会議」を思わせます。

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結果、毎月50万円の赤字は、経費の節約で賄うことになるのですが、このオーナー禄郎の決断がまさに「人生で大事なことは、何を食べるかではなく、どこで食べるか、である。」を体現しています。「誰のクビを切るのかではなく、どんな店にしていくか、のほうが重要だ」というところにつながってくるのです。

まとめ:この名言の真意

「何を食べるかではなく、どこで食べるか」。

料理そのものだけでなく、お店の雰囲気だったり見える景色だったりが幸福感を左右するように、人間にとって環境はとても大切、そんなメッセージを教えてくれるのがこの名言です。あなたが学生なら、どんなにいい参考書や問題集を買っても集中して勉強できる環境がなければそれには意味はありません。また、あなたがより良いお付き合いを求めて合コンに行ったとして、いくら性格が良くても清潔感のない身なりをしていたのであれば台無しになってしまう。

人は、特に日本人は、内面や内容を重視することを美徳とします。でも、もちろん同時に外面や環境要因も重要であるということを忘れてはいけない、ということなのかもしれません。

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